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beautiful people

SHOW

LIMITED ITEM

工具やペンなどの「両頭使い」から着想を得た「ダブルエンド」をテーマに、一つの服の上下を入れ替えての着用も可能なアイテムや、ビューティフルピープルが活動している「パリと東京」が上下で機能するロゴを施したアイテムなど、5種類を3/15~3/31の期間限定で販売。 ※限定アイテムの販売は現在終了しています。

BRAND PROFILE

beautiful people

beautiful people (ビューティフルピープル)は、着る人たちに喜びや心地良さをもたらし、あるがままの自分を美しいと感じさせる洋服をデザインしている。美しさの基準は決してひとつだけではない、という視点から、世界の多様性を肯定し、日常の中にあるさまざまな要素、時に相反するものや矛盾する概念の中にある新たな美を、自分たちの目で見出しクリエイションとして発信している。 2021-22年Autumn/Winterは、パリコレクションのオフィシャルカレンダーにてデジタル発表するとともに、「by R」へ参加し東京で4年ぶりにショーを行う。

INTERVIEW

「ビューティフルピープル」熊切秀典インタビュー

装うことへの憧れや高揚感をメッセージに

高橋盾

「ビューティフルピープル」が3月15日、2021-22年秋冬シーズンのRakuten Fashion Week TOKYO期間中にファッションショーを開催する。日本発のファッションブランドを支援するプロジェクト「by R(バイアール)」を通じて実現するショーは、一般客向けのライブ配信も同時に予定している。パリに発表の場を移して早4年。昨年は毎日ファッション大賞を受賞し、勢いに乗るデザイナー熊切秀典に、今回の東京でのショーについて話を聞いた。

デジタル+フィジカルの融合
―今回のショーの内容について教えてください。
2021-22年秋冬コレクションは、“ムービー+ファッションショー”、つまりデジタルとフィジカルを融合して披露します。具体的には、まず3月4日のパリファッションウィーク期間中にムービーを発表。そしてそのムービーの対となるショーを、3月15日に東京で開催します。その両方を見ることで、コレクションのストーリーが完結する、というアプローチです。
―デジタル+フィジカルのアイデアはなぜ生まれたのですか?
COVID-19の影響で渡航が叶わなかった先シーズン、パリコレにはデジタル形式で参加し、初めてムービーを発表したんですが、そのムービーの評判が非常に良かったんです。僕たちは洋服の“新しい構造”を探求するモノ作りをしているので、服のパターンや構造がトリッキーで複雑。でもデザインはスタンダードやトラディショナルがベースなので、一見しただけではシンプルな服に見えてしまう。フィジカルなショーだけでは、その構造の奥深さを伝えるのが難しくて試行錯誤していたのですが、イメージ映像で表現したことで、デザイン哲学を一発で伝えることができました。ムービーでの表現方法は、これからも続けていくべきだと思ったんです。
―ムービーは初の試みだったのですか?
はい、それまで全く頭になくて。COVID-19でフィジカルなショーができなくなり、さてどうしよう?と制約がある中で生まれたポジティブな発見でした。

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Spring / Summer 2021 Collection

テーマは“ダブルエンド”
―今回の秋冬コレクションのテーマを教えてもらえますか?
テーマは“ダブルエンド(両端)”。これは「ビューティフルピープル」が提案する独自の型紙設計「サイドシー(Side-C)」のアイデアを発展させたものです。「優れた知性とは2つの対立する概念を同時に抱きながら、その機能を十分に発揮していくことができる」というフレーズをデビュー当時から変わらないブランドコンセプトにしています。作家スコット・フィッツジェラルドの名言で、作家の村上春樹さんが最初の小説で引用し、訳出されている一文なのですが。 僕たちは常に、服の中に“相反するもの”を共存させようと考えていて、今回は一つの洋服に2つの端を設定し、回転させることでサプライズな着方が楽しめるというアイデアです。「ビューティフルピープル」が追求してきた技術をより研ぎ澄まされた形で反映しつつ、遊び心を効かせたウェアラブルな形に落とし込んでいます。
―服の中に潜む、想像を超えたユニークな“仕掛け”に観客の方々は驚くでしょうね。
服の構造に対する可能性は、まだまだあると信じていて。90年代の脱構築主義のその次...つまり壊して、修復して、新しい機能を加えながら再構築する、という過程の中から、新しいものが生まれるのではないかと考えています。「サイドシー」というコンセプトは5年前のパリコレデビュー後から言葉にし始めましたが、15年前のデビュー当初から手掛けている“大人のための子ども服”シリーズなども、まさに同じ発想なんですよね。

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Pre-Fall 2021 Collection

ショーに込めた想いとは?
―COVID-19の影響が続く中、今回のコレクションに込めた想いやメッセージは何ですか?
普段の生活からインスピレーションを受けてデザインをするので、やはりCOVID-19以前/以後は比較して考えましたね。ただ絶望的な状況を悲観していても前に進まないので、いかにポジティブに転換できるか?という視点に、早い時期から切り替えています。今回の秋冬コレクションに織り込みたかったのは、“装うことへの憧れや高揚感”を喚起するムード。例えばCOVID-19以前のことを考えたとき、「装うことに対して皆、積極的だったのか?」と問いかけると、決してそうではなかったかもしれない。よりリアリティを求めるムードが強かったし。でもパンデミックを経験した今だからこそ、「改めて装うって楽しいんじゃない?」と、希望を込めて伝えたい。1つの洋服で日常と非日常を行き来できるようなデザインも登場しますが、まさに今の時代性を反映しています。
―今回、メンズとウィメンズの構成はどうなる予定ですか?
東京でのショーはメンズ、ウィメンズを両方ミックスします。デビュー当時から「ビューティフルピープル」のメンズ、ウィメンズに垣根はなく、ジェンダーレスなデザイン、モノ作りが基本なので。ただウィメンズのドレスだけは、自分の中で特別なものという認識があり、パリコレで発表するムービーに関してはウィメンズに特化する予定。ムービーで見たウィメンズが、メンズではどう展開されるか?という視点でショーを見てもらうのも面白いんじゃないかなと思います。
―ショー発表と並行して、通販サイト「Rakuten Fashion」で限定アイテムも販売されるそうですね。
コレクションのテーマ“ダブルエンド”をグラフィックでユニークに表現した限定Tシャツとシャツを用意しています。パリと東京で描かれる一連のストーリーを観て、その気分のままショッピングも楽しんでいただく…Rakuten Fashion Week TOKYO期間中は、ファッションの華やかさや非日常の楽しさを満喫できる一週間になると嬉しいです。
―昨年は毎日ファッション大賞を受賞されましたね。
こんな時代の大転換期に、受賞できたのは非常に光栄でした。非常事態が続いた1年間でしたが、僕自身はかえってモノ作りに集中できたし、意味ある一年でした。

Designer

熊切 秀典

Hidenori Kumakiri

1974年神奈川県生まれ。文化服装学院卒業後、コムデギャルソンでパタンナーとして経験を積み2004年に独立、外注パターン会社エンターテイメントを設立。2007年に自身のブランド「beautiful people」をスタート。2017年よりパリコレクションに参加。2020年10月にWeb限定ブランド「beautiful people feels」を発表。同年11月に「毎日ファッション大賞」大賞を受賞。

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