【RF mag.】in the garden

from editors

「チルアウト」に夢中。

 

この「in the garden」企画は当初、「ピクニック」(仮題)と呼ばれていた。コロナ禍になる前、ディレクターの中島敏子さんが、5月の新緑が美しい季節はレジャーシートを持って出かけ、外でご飯を食べるだけでも幸せだよねと話すことから始まった。

敏子さん、事件です。撮影前の打ち合わせで集まった渋谷のパーラー西村で、事件が勃発したのだ。
スタイリストの小川夢乃さんが仕上げたスタイリングを見せながら、こう言った。「リース先で何度か、20代のプレスの女の子たちにピクニックっていうのなんだか恥ずかしいって突っ込まれました」。衝撃である。広辞苑で調べてみた。野遊び。遠足。雄山。うん、なんらおかしくないぞ。じゃあ、若い子たちはなんて言うのと問うてみたら、「『チルアウト』だと言われちゃいましたよー」だとか。目の前で夢ちゃんは無邪気に笑っているが、私は呆然とした。その日はいやはや、やっぱり言葉は面白いなと困りながらもなんだか楽しくなって、帰路に着いた。

敏子さん、またもや事件です。撮影当日、ヘアメイク中に再度、事件が勃発したのだ。
朝ご飯を食べながら、このウェブ企画を手伝ってくれている20代の見習い編集者のエリナちゃんとリナちゃんに、ピクニック→チルアウトの話をした。「『チルアウト』のほうがなんか…恥ずかしいです…。」えー!そうなの? 2人とも歳の割に堅実なタイプで落ち着いているからなのか 、確かに2人が「チルアウトしよーっ!」と言っているところは想像できない。でも「テラハ」東京編のりさこちゃんとケニーはしょっちゅう言ってたな。

それから数日、スタッフには黙っていたが「チルアウト」という、知ってはいるが使うことのない言葉に夢中になり、熱心に発祥やら派生やらを調べ続けていた。一種の編集者病だろう。
そんな私を知ってか知らずか、ポロンと携帯が鳴った。敏子さんから「『in the garden』にしておこうか」とのメッセージ。はっと我に返り、とっとと原稿を書かねば! というわけで仕上がったのがこちらの企画である。

早く「in the garden」でピクニックを楽しみ、思う存分チルアウトできますように。



text : Kaori Watanabe(FW)

※この記事は2020年5月14日のものです。
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Staff Credit

Photography: Koomi Kim
Styling: Yumeno Ogawa
Hair & Make-up: Keita Iijima〈mod’s hair〉
Model: Miyuki Emond, SONYA
Text & Edit: Kaori Watanabe〈FW〉

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