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ファッションの化学式

その少女に最初に会ったのは小学5年生の時だった。赤やピンクは嫌い、お花もリボンも大嫌いという強い主張を持ち、フリルのワンピースやスカートではなく、いつも青系のスパッツを穿いていた。彼女は大人になってもそのチャーミングで強い個性は変わらなかったが、のちに始めた洋服ブランドは、とても愛らしく小花を多用するようなヴィンテージテイストのものだった。しかし彼女が着るとその華奢なワンピースはとてもしなやかで強靭な装いに見えたのだ。ナイーブなドレスから強い人間性が滲み出て合成されて絶妙なバランスになるように。

憧れの洋服を着ることで人は変わることができる。なりたい自分に向かって確実に近づくことができる。
しかし逆に、その人が着ることで洋服が変わって見えることもある。agnes b.やMACKINTOSHのような服は定番の形だからこそ、誰がどう着るかでまったく違って見えるのかもしれない。同じボーダーシャツだから、同じステンカラーコートだからこそ、腕の長さや頭の形、髪の毛の色といったその人本来持っているものや合わせる服のチョイスで、ハッとするほど違って見える。その差異はとても人間らしく愛らしいものだ。
着る人と洋服の間にはその人だけの不思議な化学式がある。

text : toshiko nakashima

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Staff Credit

Photography : Yuka Uesawa
Styling : Yumeno Ogawa
Hair & Make-up: Ryoki Shimonagata
Model : Kako Takahashi, Takuya Ebihara
Edit & Text : Kaori Watanabe

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